Thank you!




珍しくアスマが落ち込んでいる。
あれは見るからにろくな事を考えちゃいない。
まあ、理由は知っているのだけれど。
それを本人の口から聞いたわけではないし、きっとアスマも何も言わないだろうから自分も知らないふりをして隣に座る。

だけど、やっぱり落ち込んでいるアスマは見たくないから。


「…アスマ」

「ん?」

「……何か、あった…?」


思わずぎこちない問い掛けになってしまったと少し後悔した。
慣れないことはするもんじゃない。


「…まあ、な」


そう苦々しく笑うアスマ。
違う、そんな顔が見たいんじゃないんだ。


「珍しいな」

「…何が」

「心配してくれてるんだろう?」

「……気が向いただけ」

「ふーん」

「…嘘。本当は、俺だってアスマに頼ってもらいたい」


いつだって頼ってばかりで、助けてもらってばかりだから。
アスマがちゃんと笑えるよう、力になりたい。

そう告げればアスマは驚いたように目を見開いた後、ふわりと笑った。
嗚呼、やっとその顔が見れた。


「カカシ」

「…ん」

「ありがとう」


嗅ぎ慣れた煙草の匂いに安堵して、知らず知らず詰めていた息をゆっくりと吐き出した。

とりあえずは煙草を吸う余裕が出来たってことらしい。


「アスマ、キスしよう」


心配かけやがって、バカやろう。
そう伝わればいいと噛み付く様に唇を合わせた。





(貴方のために、何が出来ますか)






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